花を愛でるのにゃ
ワシは桜の花が好きや。桜っちゅうのは酸いィ匂いがするんサ。ワシに似た酸いィ匂サナ。
ワシは人ン家の庭にスポーツ新聞を広げ、腰に差した片手剣を新聞が飛ばないように置いたんや。
ワシは絶叫する。
「長(おさ)~~~~~~~wwwww」
長(おさ)はワシにこのエリアでの生活の全てを教えてくれた。
風呂嫌ェの長も桜の匂いと同じ香(か)をさせていんしたネ。
するとワシの魂の叫びを聞いた人ン家の悪魔犬(悪魔のように気性の荒い小型の獣)がワシの右手を喰いよった!
そしてワシは仰天して片手剣に封じられた都会サソリ(都会に住む大型のサソリで最大全長90㎝になる)の怨霊をうっかり開放してしまったんや。
それが終焉の合図やった。
都会サソリはワシの左手を喰う!都会サソリと悪魔犬の闘いが始まってしもてン。
ワシは必死に抵抗した。ワシは生きるどす。
その白熱した戦いは三日三晩続き都会サソリと悪魔犬どちらもが力尽きた。
ワシはというとその闘いを生き延びた。
しかし、命を賭した彼らと同じくワシも代償を負ったんや。
ワシの腕は右肩から右の中指540㎝、左肩から左の薬指(左手の中指は薬指より短コウできちょる)460㎝になってもうたンにゃ。
桜の花びらががワシのダルダルに伸びた両腕(かいな)を直撃する。
桜の花びらは一枚で牛一頭分はあると聞いたことがあるがワシはその衝撃で気を失った。
ぉしまぃ