火炎ママ
今日はいつものように公園のベンチでいつか訪れる死までの時間潰しをしとった。
ワシ以外の中年が家庭や仕事に精を出しちょる時にワシは……と情けノゥなったこともあるが、今の生活には慰めがある。
ワシは隣に座る火炎ママの肩を抱き寄せた。
火炎ママは読んで字のごとく激しく燃え盛るママの事っちゃな。
火炎ママはその溶けた鉄のような肌が白く光りを放つ程血圧を上昇させている。
ワシは自分の皮膚がドロドロになるのも厭わん。
ワシの男気に感動した火炎ママはヤニで黄ばんだ歯を見せ笑う。
そしてワシは火炎ママの前歯を一本思い切り引き抜く。
「こいつはもろうちゃるけん」
火炎ママの歯は高値で売れることがある。優秀な耐熱素材として宇宙開発に用いられるんサ。
これでしばらくオマンマ食えるどす。
サンキュ。
ぉしまぃ