超実在☆フタナリケモミミロリ眼鏡『恥屋 孕』の日記

恥屋 孕 トウキョウ エリアD 58歳  https://generated.photos/%22%3EPhoto

火炎ママ

今日はいつものように公園のベンチでいつか訪れる死までの時間潰しをしとった。

ワシ以外の中年が家庭や仕事に精を出しちょる時にワシは……と情けノゥなったこともあるが、今の生活には慰めがある。

 

ワシは隣に座る火炎ママの肩を抱き寄せた。

火炎ママは読んで字のごとく激しく燃え盛るママの事っちゃな。

 

火炎ママはその溶けた鉄のような肌が白く光りを放つ程血圧を上昇させている。

ワシは自分の皮膚がドロドロになるのも厭わん。

 

ワシの男気に感動した火炎ママはヤニで黄ばんだ歯を見せ笑う。

 

そしてワシは火炎ママの前歯を一本思い切り引き抜く。

「こいつはもろうちゃるけん」

 

火炎ママの歯は高値で売れることがある。優秀な耐熱素材として宇宙開発に用いられるんサ。

 

これでしばらくオマンマ食えるどす。

サンキュ。

 

ぉしまぃ

今日は外食をしんした。

ワシらが住むトウキョウ エリアDでは週に2回テレビを見ることが認められている。

 

ワシらは基本自由に娯楽を楽しむことができるがテレビだけは制限が設けられ、しかも初回放送からも20年以上経った番組しか視聴できない。

 

ワシはテレビに関心はないが、空想上の友達の煌(きらめき)がテレビを見たいというモンやから今日は張り切ってテレビが置いてある居酒屋に向かったんや。

 

その道すがら、ワシは見つけてしもたン。

道端に転がる剥き出しのハムを。

 

ワシは人一倍理性がない。

少しもためらうことなくハムを口にした。

 

ハムには緑色や白のふぁふぁふぁふぁとした毛のようなモンが生え、舌触りがエェ。

 

満たされたワシはそのまま道端で寝っ転がりそのまま寝てしまったワケ。

 

何時間そうしとったか。

気が付くとワシの長い腕(かいな)が他の通行人の邪魔になり、5㎞の渋滞が起こっていた。

 

ワシは頭が真っ白になりながら

「見せモンとちゃいます…見せモンとちゃう…モンとチャう……チャう……」

と、独り言ちたんやな。

 

 

 

 

煌(きらめく)、見てるか。俺は成したぞ。

 

次は、お前や。

 

ぉしまぃ

花を愛でるのにゃ

ワシは桜の花が好きや。桜っちゅうのは酸いィ匂いがするんサ。ワシに似た酸いィ匂サナ。

 

ワシは人ン家の庭にスポーツ新聞を広げ、腰に差した片手剣を新聞が飛ばないように置いたんや。

 

ワシは絶叫する。

「長(おさ)~~~~~~~wwwww」

 

長(おさ)はワシにこのエリアでの生活の全てを教えてくれた。

 

風呂嫌ェの長も桜の匂いと同じ香(か)をさせていんしたネ。

 

するとワシの魂の叫びを聞いた人ン家の悪魔犬(悪魔のように気性の荒い小型の獣)がワシの右手を喰いよった!

 

そしてワシは仰天して片手剣に封じられた都会サソリ(都会に住む大型のサソリで最大全長90㎝になる)の怨霊をうっかり開放してしまったんや。

 

 

それが終焉の合図やった。

 

 

都会サソリはワシの左手を喰う!都会サソリと悪魔犬の闘いが始まってしもてン。

 

ワシは必死に抵抗した。ワシは生きるどす。

 

その白熱した戦いは三日三晩続き都会サソリと悪魔犬どちらもが力尽きた。

ワシはというとその闘いを生き延びた。

しかし、命を賭した彼らと同じくワシも代償を負ったんや。

 

ワシの腕は右肩から右の中指540㎝、左肩から左の薬指(左手の中指は薬指より短コウできちょる)460㎝になってもうたンにゃ。

 

桜の花びらががワシのダルダルに伸びた両腕(かいな)を直撃する。

桜の花びらは一枚で牛一頭分はあると聞いたことがあるがワシはその衝撃で気を失った。

 

ぉしまぃ

 

ワシは一輪の…

ワシは烈火の如く怒っとる。ワシの命(たま)が狙われた。
ワシのお父ちゃんとお母ちゃんが半分ずっこしてコサエタこの命(たま)、こんなところで散らせてはぁ、アカンッ。

 

 

時は、平成に遡る。
ワシはそン頃とゆうと、創造主(お母ちゃんのお母ちゃん)が近所の商店街ン中の婦人服売り場で買(コウ)てきた一枚980円の赤いバラがプリントされたサテン生地の長ズボンを引き裂いて作った肌着を着とるせいでアトピー性皮膚炎が酷ォなっとった。
注:医学的根拠はありません

ちなみにワシは未だに"婦人"と聞くと赤面してしまう48歳や。

 

ワシの肌着をアトピーの原因やと見破った医者(いしゃ)がワシの肌着の下の初心な部分を覗きよった。


そしたら咲いてたんやな。ワシに。

 

真っ赤な、美しい、バラが。

 

ワシの肌は肌着のプリントと同じ場所に大輪のバラを咲かせたんや。
それからワシはこのトウキョウ エリアD に捕らわれてしもてる。

 

 

お父ちゃんお母ちゃん、そして創造主 孕は今も元気に暮らしてます。
離れて暮らすみんなに僕のことが分かるように今日も出せる声ン中で一番高い声で叫びます。こうすると蚊が寄ってきません。

 

ぉしまぃ

寄り合いに行きました。

今日ゎ住んでいる自治体の寄り合いに行きました。

ワシ以外の中年は職に就いとりますけん今回の寄り合いは自主開催ですがな。

 

ワシはまず公民館の戸ォにたんぽぽの蕾を擦り付け、

「かずゅまぁぁ~~~~~wwwww開けてたも~wwwwwwwwwwwww」

絶叫しますわな礼儀どすから。

 

そうすると公民館を守る腕(かいな)が8本ある一つ目修羅婆が出てきてワシのたんぽぽを見つめるんや。

 

一つ目修羅婆はワシの"心根"をコノおぼこいたんぽぽを通して見とる!

 

曇りない目(まなこ)をした修羅婆は7本の腕(かいな)の一つをワシに差し出した。

修羅婆は先程ペットのハスキー犬に腕(かいな)を奉ったので8本腕(かいな)ではなくなっている☆

 

ワシはその腕(かいな)をしっかり抱きしめたったんやな。

 

ぉしまぃ