サバイブ オブ ザ トウキョウ
ポメラニアンくらいの大きさの雪が降っとる。
昨日までポカポカ陽気やったってのにネ。
寒の戻りってヤツ。
島田のトッツァン。綺麗でヤんス。
今日はトッツァンの最期の晴れの舞台。
うっすら化粧をしたトッツァンを見てるとワシの最期もこんな穏やかなモンでアレ～～と祈っちまうワネ。イノッチの祈りってネ。
白と黒のトッツァンの写真に口づけをしてワシはお空を見上げたン。
ニッコリ。
そのままお空を見上げてたら溝に落ちたそす。
痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て痛て
何見てる？？見世物と違う！！じゃからしぃ！！ボケッ！！カスッ！！
ッッカァァァッッッ～～～～～…ペッッッッッ！！！！！！！
ぉしまぃ
拳全体が口に入るねんけど？
オムライスってだ～～いすき！！
ケチャップ味の食べ物っておいしくない？？
だいたいケチャップが美味しすぎるワケ。
ワシのスプーンはエスパー恩方に曲げてもらった件、食事に適さない。
ワシの持ってる食器はコンビニでもらったプラスチック製のモンを洗って何回も使っとる。
ヨーグルトのカップも痰壺にしとる。
それがアカンかったんか？？？
全部の食べ物の色が混ざった食器はドベの色をしてる。
食欲がなくなるんね。
そうすると手でご飯を喰うことになる。
ワシはただ食器がないから手で飯を喰うとって、食器を使わん食事スタイルの人の暮らしの表層をなぞっただけの浅い行動はしとうない。
通りがかりの人がワシを聖人を見る目で見る。
ワシは環境を考える前にその日暮らしの身やから、毎日精一杯なワケ。
悔しい。悔しい。その気持ちをこらえ、ワシは自身の拳を咽頭に突っ込んでみた。
そしたら甘かったんね。
やった♡
ぉしまぃ
さようなら、僕らのワニガメ
親知らずってかわいそうな名前でありんス。
乳歯が永久歯より先に生えるのにちってぇちってぇ歯だからって"乳"歯なのも……。
ワシは歌ったんや、歯肉炎が治る歌を。
金が欲しいン。金が。
ワシは無職中年。無職なン、このトウキョウ砂漠で無職なン。
お助けドラゴン。保育園にワシを連れてって。
ワシは涙をポロポロ流した。季節の変り目は鬱っぽくなるっちゃ。
ワシの傍らのワニガメは今日殺されてしまうんや。
ワシを噛んだ咎亀(トガガメ)やから。
無職のワシを噛んだからって何も命(タマ)までとらんくても……。
ワシのタマは金メッキが貼ってあるけどほんとは木製なン、内緒。
また、ワシは歌う。
ハハハハハ ハッピーシンセサイザー君の胸の奥まで
届くような メロディ 奏でるよ
とぅっとぅっとぅっとぅるとぅる とぅっとぅっとぅっとぅるとぅる
とぅっとぅっとぅっとぅるとぅる とぅっとぅっとぅっとぅるとぅる
儚……
ぉしまぃ
蜂蜜って知っとる？
母ちゃむから”蜂蜜”が送られてきた！
こんな中年の母ちゃむだから齢80になる母ちゃむだっちゃ。
母ちゃむ……ずっと元気で過ごしてちょ。
ワシはその蜂蜜をペロッと舐めたン。
ご飯を食べる前とご飯を食べた後に舐めたン。
そんな生活を続けていたある日、蜂蜜が白く濁った固体になりおった。
ワシは戸惑った。
その蜂蜜を抱きかかえ途方に暮れた。
数日そのママ過ごし涙も枯れ果てた頃、ワシは気づいたんやな。
蜂蜜が蘇っとる！
ワシはとても嬉しかったンね。
蜂蜜は元の輝きを取り戻し、ワシの人生の潤いとなったん。
ところで蜂蜜って一旦虫の体に入ってから作られてるんっちゃろ？
それってチョット……
不思議
ぉしまぃ
電車たそ、ワシを攫って。
一般歩行中年男性として過ごしているとこちらに電車が向かってくることに気が付いた。
ワシはこの機を逃さないために線路を走り、車体にしがみつく体勢になった。
ワシは電車が好ち、だってかっこいいモン！
でも、運賃が払えないから轢かれたフリして車体の外にしがみつくにょ。
向かってくる電車に飛び移ろうとした瞬間、気が付いてしまった。
車体に無数に生えるスポンジ製のトゲを。
ワシの体は電車にぶつかりそしてスポンジ製のトゲにふあっとぶつかって５ｍ程吹き飛んだ。
電車が通り過ぎた後の踏切にゴロンと寝転がる。
眉間にたらりと血が垂れる。
電車たそ……
ワシを………
連れって行って………
天竺へ……………
ぉしまぃ
ゴミ拾いをしました。
ワシは粘膜に唐辛子を塗り込まれたじょ。
「痛(ツウ)ってっててててててててててててって」
朝から何んなワケｗと思ったワシは痛みのする箇所(下腹部だじょ)を押さえ目から溢れる汁を下で舐めとりながら起き上がった。
手をどけ、その痛みのする箇所を覗くとハサミに唐辛子を塗り込まれたサワガニがあぶくを吹いとった。
「哀れな命……ワシとオンナジ……」
こんな無職全裸中年の粘膜の為に命を懸けたカニに敬意を示すため、カニの墓に適した空き地を探すことにしたんでありんすナ。
外に出かけると、ワシ以外の人間も痛みにのたうちまわっとった。
ワシはアパートの駐車場に落ちていた吸殻を口に含み、南無を唱えたん。
上位存在氏～～～～こんな世界を救ってクレん？
そうするとカラッと晴れた空から雷(いかずち)が落ち、ワシの脳天にぶち当たった。
天啓を受けたワシは街を行く歩き飲食及び歩き喫煙ニキネキに積極的に声を掛け、ゴミをワシの体内に入れてくれるよう乞うバケモノになったん。
ぉしまぃ
